2011年07月08日

エジプトのフェヌグリークの種子がO104感染の犯人


ドイツのハンブルグとフランスのボルドーでアウトブレイク(感染拡大)が確認された志賀毒素産生性大腸菌(STEC)のO104ですが、どちらの国でもモヤシを食べた人々から発症者が出ていることからもやしの種が汚染されていたのではないかと、ここでも指摘しました。

実際にその犯人と思しき種とその生産地が特定されました。


フェヌグリークという香草のモヤシを作るためにエジプトで生産されたその種子が犯人らしいということです。

これはヨーロッパのCDCのホームページで7月に入ってから発表されています。

⇒ EFSA Task Force reports on Shiga toxin-producing E. coli (STEC) outbreak


で、フェヌグリークとはいったいなんだ?

と言うことで調べてみたら面白い植物ですね。

Trigonella_foenum-graecum.jpg

アフリカや地中海沿岸が原産地と考えられているこのフェヌグリークですが、我々日本人はほとんど全員がこの香草の匂いを知っています。

実はこの種から作る香辛料は、カレーのスパイスの中心となる香りの一つだそうです。

これの新芽をもやしのようにして食べるのがヨーロッパやアフリカでは流行り、あるいは普通の野菜の一つなんでしょう。


このフェヌグリーク、さらに意外な効果をも持っていることがわかりました。

女性の間では常識なのかもしれませんが、種皮に含まれている植物サポニンが女性ホルモンの前駆体の構造に近いそうです。

(大豆サポニンや、レッドクローバーと言う香草のサポニンもそうらしいです。)

だから欧米では最近、バストアップのためのサプリメントとして好んで飲まれているとか。


フェヌグリーク種子が2粒に1220mg!バストケアが気になる女性から人気のサプリメント♪フェヌグ...

このように、日本でも実は販売されていました。
(サプリメントになる過程で熱処理されてますから大腸菌汚染の心配は不要です。)

・・・あれ、ひょっとして、そういう理由で女性が好んでフェヌグリークのモヤシを食べるのがO104感染者に女性患者が多い理由か?

そんなわけないですよね、女性ホルモン産生効果があると言ったら男性や子供は食べたくないですからね。



脱線しましたが、ヨーロッパで流行したO104の感染源がエジプトで生産されたフェヌグリークの種子であると言うところまでは追い詰められました。

次は、その種子を汚染させたのが誰かと言うことが問題ですね。


別なブログで書いていますが、O104の本体は腸管出血性大腸菌ではなくて、腸管凝集性大腸菌(EAEC)が志賀毒素(ST)を獲得したものです。

そして、原則としてEAECは人間での感染しか確認されていない病原性大腸菌ものなのです。

さらに、今回のO104と遺伝子配列がよく似たEAECが2001年にドイツで見つかっています。


都合よく考えると、ドイツ出身、もしくは滞在者がドイツでEAECに感染して、エジプトでの種子生産、もしくは輸出に関わることで種子を感染させてしまった。

そういうことになりますが、どうなることやら、次の展開を待ちます。
posted by HUS-EHEC at 23:45 | Comment(0) | TrackBack(0) | O104感染症に関わる情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年06月28日

ヨーロッパの大腸菌O104は人をキャリアにした腸管凝集性大腸菌(EAEC)で、もやしの種に感染していた可能性が高い

ドイツのO104感染症のその後です。

ドイツだけじゃなくて、ちょっと怖い状況になってきています。

6月27日のヨーロッパのCDCの報告を見ると、集計できた時点までのO104:H4感染者の総数は3919人です。

このうち、溶血性尿毒症症候群(HUS)を発症したのは880人、このうち亡くなった人が31人です。

それ以外に、HUSを発症しないけれども亡くなった人が3039人中16人もいます。

0627 HUS-EHEC.jpg

Shiga toxin-producing E. coli (STEC): Update on outbreak in Germany and cluster in France (27 June 2011, 11:00)


このケースレポートを見ていて非常に怖いのは、フランスのボルドーで新たなO104:H4の感染集団が見つかっていることです。

6月15日から24日にかけて発症したこれらの患者さんたちはドイツ北部への旅行歴がありません。

8人中7人がHUSを発症していて、8人中6人は女性です、おそらくハンブルグの菌と同じものにやられているのでしょう。


そして、驚くべきことに、少なくとも8人中6人は発症前の6月8日にいっしょにもやしサラダを食べていたようなのです。

この、モヤシを食べていたと言うことがドイツのハンブルグとフランスのボルドーをつないでいます。

ですが、このモヤシはドイツから輸入されたものではなくて、地元で生産されたものである確認が取れています。


ということは、残された可能性は、もやしの種が汚染されていて、それがヨーロッパ各地に(少なくともドイツ北部のニーダーザクセン州とフランスのボルドーに)出荷されていたということです。

おそらく出荷に携わった人がO104の無症候性キャリアだったのでしょう。

なぜなら、今回のO104:H4は牛の常在菌であるO157:H7とは違うタイプで、これまでヒトでの感染しか確認されていない腸管凝集性大腸菌(EAEC)と言うタイプだからです。

EAECとO104の詳細はリンク先の関連ブログにまとめてあります。

腸管凝集性大腸菌(EAEC)あるいは腸管凝集性接着性大腸菌(EAggEC) 医者の卵の走り書き

ここに書くと項目が増えすぎてややこしくなりそうだから(笑)。
posted by HUS-EHEC at 09:50 | Comment(0) | TrackBack(0) | ニュースにひとこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年06月19日

腸管出血性大腸菌感染の症状を軽くする方法について


腸管出血性大腸菌感染症は次第に症例数が増えてきているのが世界的な傾向です。

しかも今年、2011年のドイツのO104のようにそれまで危険とは考えられていなかった大腸菌が一気にいくつもの新しい能力を獲得してアウトブレイクを引き起こすことがあります。

大腸菌、あるいは大腸菌と近縁の細菌同士が同じ環境にいた場合、遺伝子ベクターの役目をするプラスミドによって簡単に遺伝子の受け渡しが行われるために、大腸菌はどんどん変化します。

だから、同じ腸管出血性大腸菌と言っても少しずつその感染症状が変わって行ってるんですね、O157:H7だと判断されたとしても、それが昨年流行った腸管出血性大腸菌かどうかは分からないのです。


また、抗生剤の使用はタイミングを間違えると溶血性尿毒症症候群をかえって引き起こしやすくすることから、使用には慎重にならざるをえません。

薬剤耐性遺伝子を持つ大腸菌が増えているのも最近の傾向で、感染早期に薬物治療で何とかすると言う方法はこの細菌感染症には使えないと思うのが正解です。

ではどうすればいいのでしょうか?


ひとつには感染しないように予防することですね、生食を避けると言うことです。

そして、手洗いをきちんとすること、体力を落とさないこと。

腸管出血性大腸菌感染予防の五カ条

これらの項目をきちんと守ることで、感染しないようにするのが理想です。


しかし、それでも食べてしまうことはありますよね、山形のだんご屋さんの柏餅やみたらし団子で感染した騒ぎ、あれは誰も予想できなかった感染でした。

生肉や生野菜ならともかく、お菓子屋さんの作っている和菓子でO157に感染するなんて。

と言うことでそういう不測の事態に備えて有効(かもしれない)方法をお伝えしておきます。


ビフィズス菌を毎日摂取するようにすればいいのです。

ビフィズス菌が腸を細菌から守る仕組み解明


ビフィズス菌は我々の腸の中に住んでいる善玉菌です。

そのビフィズス菌は善玉菌とも呼ばれるのですが、腸内環境を正常に保つ能力があることが知られています。

「もやしもん」と言う漫画を読むとわかりやすく書いてあるのですが、常在細菌とは我々の皮膚や腸、口の中や鼻の中など、外界と接する場所に住んでいる細菌です。

その常在細菌は宿主の健康状態を健全に保つ能力を持っています。

だって、そうすることで自分の居場所の安定が保たれるわけですから、ヤドカリとイソギンチャクみたいな共生関係が成立するのですね。


上にあげたリンクの先の話はネズミの実験で、人間で試したわけではないのですが、人間でも基本は同じだと思います。

同じ焼き肉屋で同じものを食べても、同じだんご屋の同じ柏餅を食べても、発症する人と発症しない人のいる理由の一つが、その人の腸に住んでいる善玉菌の能力の差かもしれないと思われます。


いいビフィズス菌の入っているサプリメントや発酵食品を毎日食べるか、ビフィズス菌の育ちやすい食生活を心掛けるかが、腸管出血性大腸菌感染症へ感染したときに症状が軽くすむかどうかの重要なカギなのかもしれません。
続きを読む
posted by HUS-EHEC at 07:23 | Comment(0) | TrackBack(0) | 腸管出血性大腸菌について | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年06月13日

腸管出血性大腸菌感染症の診断と治療方法を述べよ(内科試験対策)

腸管出血性大腸菌感染症について、診断と治療方法を含めて述べよ (内科学的観点から)


今回は内科の試験のつもりで書いてみます。
(また一般の方はスルーしてください。)


腸管出血性大腸菌感染症とは、ベロ毒素遺伝子を獲得したことにより病原性を持つに至った大腸菌(腸管出血性大腸菌EHEC)が引き起こす感染症を指す。

EHECは汚染された食物を経口摂取することで感染する。経口摂取した人の約半数が発症すると考えられており、潜伏期は経口摂取後3〜8日である。

EHECの産生するベロ毒素は腸管上皮細胞や血管内皮細胞を集中的に攻撃して細胞死に至らしめるので、腸管粘膜細胞が死んで脱落し、さらに腸管の血管壁も破壊される。

このために激しい腹痛とともに頻回に粘性のない水溶性の血便が排泄され、「赤ワイン様下痢」という表現もされる。

発熱は出血性下痢が続いている間に一過性に出ることが多い。


下痢の初発症状から約7日から10日後に溶血性尿毒症症候群HUSや、脳症などの重篤な合併症を発症する場合がある。

(下痢が激しい場合や、抗生剤を使用した場合にHUSの発症率が高いことが報告されている)

HUSになると赤血球が破壊されて貧血になるために血色が悪くなり、腎機能が阻害されることで浮腫が認められる。

脳症の場合、けいれんや意識混濁などの神経症状が出る。

HUSの発症頻度は典型的なO157:H7の大腸菌型の場合で1%から10%の範囲とされるが、これを大きく超える例もときどき認められる。


診断は症状と食事内容の問診からEHECによる消化管感染をまず疑い、治療を進めつつ、便などの感染細菌の型の判定により行う。

O157あるいはベロ毒素に対する特異抗体での検査が主流であるが、今後はPCRによる大腸菌の遺伝子型診断が主流になっていくものとも割れる。


治療方法は、下痢だけの場合は補液と対症療法により、自然回復を待つ。個人差はあるが、一週間前後の安静と管理により自然回復する。

HUSを発症した場合の治療方法としては血漿交換や抗凝固療法などを行い、腎臓内の血流改善による腎機能の回復を試みるが、これが奏功しない場合には速やかに人工透析により腎機能を補う。

脳症を発症した場合は脳圧亢進にならないように補液管理を行いつつ、抗凝固療法により、血栓が増えることを阻止する。

posted by HUS-EHEC at 19:42 | Comment(0) | TrackBack(0) | 試験対策 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年06月12日

腸管出血性大腸菌とその感染症について、微生物学の試験対策

腸管出血性大腸菌とその感染症について説明せよ(微生物学的観点から)

試験の解答のつもりで書いてみます。
(堅苦しいので一般の方はスルーしてください。)

腸管出血性大腸菌(enterohemorrhagic E.coli:EHEC)とは、ベロ毒素(志賀毒素)遺伝子を持つ病原性大腸菌の総称であり、ベロ毒素産生性大腸菌(VTEC)あるいは志賀毒素産生性大腸菌(STEC)とも呼ばれる。

志賀毒素は本来、志賀潔が発見した赤痢菌の持つ毒素であるが、遺伝子配列を比較すると赤痢菌は大腸菌の一部とみなされるほど良く似ている。

このため、赤痢菌と大腸菌が混在した際にプラスミドベクターを介して赤痢菌から大腸菌に毒素遺伝子がtransfectionされたものと思われる。

ベロ毒素は2種類知られていて、1型は赤痢菌の志賀毒素とほぼ同じ遺伝子配列を、2型は志賀毒素との相同性は55%である。

(つまり2型毒素は志賀潔の発見した赤痢菌とは異なる細菌由来の毒素であると思われる。)

ベロ毒素は腸管上皮細胞にβサブユニットで細胞表面の糖脂質受容体Gb3に付着してαサブユニットを細胞内に注入する。

αサブユニットはリボゾームRNA(60Sリボゾーム)と結合して、蛋白合成を阻害することで細胞のタンパク合成を阻害して細胞死に至らしめる。

Gb3をたくさん発現している細胞には腸管上皮細胞以外に、血管内皮細胞と神経細胞がある。

このために、ベロ毒素で障害を受けて腸管上皮細胞と腸管の血管内皮細胞が細胞死を起こし、出血性の下痢が起こる。

また、血管内皮細胞が障害を受けることで微小血管が詰まり、赤血球が破砕されてさらに血管が詰まり、これが腎臓の毛細血管で特に強く起こることで溶血性尿毒症症候群(HUS)という腎障害が誘発される。

799px-Schizocyte_smear_2009-12-22.JPG

また、神経細胞が障害を受けることで、けいれんや意識混濁などの様々な神経症状が出ると考えられているが、この中には脳の血管内皮細胞が障害を受けることによる血栓症の影響も含まれている。

抗生剤は大腸菌を速やかに死滅させることができるが、細菌数が増えている状態でこれを行うと、ベロ毒素や最近の細胞壁のエンドトキシンなどが一斉に放出され、HUSがより高率に誘発されると考えられている。
posted by HUS-EHEC at 23:16 | Comment(0) | TrackBack(0) | 試験対策 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ヨーロッパの新型大腸菌O104感染症のアウトブレイクが下火になってきたようです。


5月1日に最初の患者が発生し、中旬には感染大爆発、5月25日のECDCの報告以来、世界中で大騒ぎになっていた新型腸管出血性大腸菌O104の感染騒動がピークを過ぎつつあるようです。

WHO(世界保健機構)のホームページにも終息宣言の様な報告が載っていました。

EHEC outbreak: Update 14 11-06-2011

簡単にまとめると

ドイツの研究機関、ロベルト・コッホ研究所の統計によると、この数日の溶血性尿毒症症候群患者数と腸管出血性大腸菌感染症の患者数が減ってきたとのことです。

それが生野菜を食べなくなったことと関係するのか、感染源と思われるものを廃棄し始めたことと関係するのかはわからないということです。


でも、6月6日ごろまでに次第に減っていた血性下痢の救急外来患者受診者数は横ばいだと言う統計もあるようです。

ここからは私の想像ですが、ひとつには、重症患者以外は病院が受け入れ不能だったこともあるかもしれませんね、軽症の人が病院受診をあきらめていたのが、そろそろすいてるかなと受診し始めただけと。

それでも、HUSを発症するような重症者の数だけは減りつつあるのは間違いないですから、ピークを過ぎたとみていいと思います。


5月1日から6月10日までの患者発生数と死者数、その国別統計も載っていました。

5月1日から6月10日の統計.jpg

16か国で3255人が発症し、35人がなくなっています。

とんでもない数の患者数と、1%を超える高い死亡率ですね。

出血性の下痢だけで死ぬことはないのだろうと私は思っていたのですが、実際にはHUSを発症していない患者さんが12人もなくなっています。

死亡率はおよそ0.5%です。

溶血性尿毒症症候群HUSを発症したことが確認されている方々の死亡率はおよそその6倍、3%になっています。


アウトブレイクが医療先進国の欧米だったからこれで済んだとも言えるでしょう、これが発展途上国で起こっていたら、死亡率ももっと高かったかもしれません。


前の記事で「もやしは安全な食べ物です」と書かせていただきましたが、これは日本国内でのことと思ってくださいね。

ドイツを中心とするヨーロッパでは現在、もやしなどの発芽野菜の徹底的な廃棄、それらと接していた食材も含めてレストランなどで大量の食材が廃棄されています。

それと、モヤシ生産工場のライン停止と生産工程や種子類の消毒が行われています。


モヤシは先進国では農作物と言うよりは温度管理された工場で機械部品のように品質管理されながら生産されます。

日本でも同じことです、所得の低下に連動してもやし料理の人気が高まっていることからモヤシ工場で生産フル稼働しているのを何かの番組で見たことがありましたが、徹底的な衛生管理が行われていました。

生産工程も時間的に空間的に全て把握されている、だからこそそれに基づいて徹底的に消毒・管理が可能なのですね。


・・・それでも感染するときは感染するのです。

だからやっぱり、牛肉や発芽野菜の様な、病原性大腸菌が繁殖している可能性の高い食材をきちんと管理して生食を避けることが重要なのです。
posted by HUS-EHEC at 12:34 | Comment(0) | TrackBack(0) | ニュースにひとこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年06月11日

もやしは安全な食べ物ですよ、ちゃんと加熱すればOKです。

テレビで先ほどハンブルグ在住の日本人の方がしゃべっていました。

ハンブルグでO104感染者の家に残っていたもやしから流行中のO104と同じ遺伝子型の大腸菌が見つかったそうです。

さらにその方の友人も発症する4日前にもやしサラダを食べたとか。


それで不思議だったのですが、どうしてもやしサラダで感染するのかということ。

だって、日本の常識から行けばもやしは必ず湯がきますよね、熱湯を5秒以上通すはずです。

ラーメン屋さんでトッピングに乗っているもやしだってお湯を通して、荒熱を取ってから冷蔵庫で保存したものです。


ところがそのドイツの方が言うには、ちょっと気のきいたしゃれたレストランほど生のモヤシのサラダを提供したりすると言うのです。

あっちゃ〜。と言う感じでしたね。

要するに、ドイツの皆さんはわれわれが、衛生管理の不完全な焼き肉屋でO111のまぶされたユッケを食べたような、そんな危険なことをしていたわけです。

生でモヤシを食べるのがグルメの証だったのでしょうかね。


確かに、生のモヤシって独特の食感で面白い味ですが(食べたことが実はあります^^;)、生で食べるのは危険な食べ物だって昔からわかっているはずです。

それを、O104で汚染されたモヤシを生で提供していたんだから、感染も爆発しますよね。


ここまで書いてふと、不安になりました。

ひょっとして日本でも、ヨーロッパのその影響でもやしを生で食べるようなレシピが流行り始めてるのではないかと???

確認でここ、一人暮らしの大学生の味方のサイトを見てみました。

 ⇒もやし サラダのレシピ 3,788 品

ざ〜っと見る限り、加熱しないモヤシを使っているレシピはありませんでした。

よかったよかった。


で、モヤシは日本では加熱するのが普通ですが、アルファルファやカイワレ大根は生で食べますよね。

でも、本当はこの二つの野菜も湯がいた方がいいと思います。

大腸菌は70℃のお湯に1分つければ死滅します。

少なくとも食中毒の季節は、発芽野菜は全部加熱して食べる方がいいのではないかと思います。

私はそうします。


関連ニュース
<O104>感染源はもやしの可能性大 ドイツ政府研究所
毎日新聞 6月10日(金)20時27分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110610-00000090-mai-int
posted by HUS-EHEC at 22:45 | Comment(0) | TrackBack(0) | ニュースにひとこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年06月10日

O104の感染源はもやしということで決めるようですね。


ずっと気になっていたO104の感染源ですが、感染の中心地となっているハンブルグ市のそばの新芽野菜(もやしとかアルファルファとか)と言うことに落ち着きそうです。

聴き取り調査で新芽野菜を食べた人が感染症に陥った可能性が高いということで、状況証拠的に決めるみたいです。

でも確かに、最初の患者さんが出たのが5月1日で、爆発的に下痢患者が出だしたのは5月15日ごろと、タイムラグが大きいので、生産農家にはもう証拠が残ってない可能性は高いです。


***ここからYahoo!ニュース抜粋***

「感染源は新芽野菜」=大腸菌被害で保健当局―ドイツ

時事通信 6月10日(金)21時39分配信

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110610-00000166-jij-int

 【ベルリン時事】ドイツ北部を中心に腸管出血性大腸菌O(オー)104の感染が拡大している問題で、同国保健当局は10日、モヤシなどの新芽野菜が感染源である可能性が濃厚と発表した。
 ロベルト・コッホ研究所のブルガー所長は記者団に対し、「新芽野菜を食べた人が大腸菌感染による症状に陥る確率は食べなかった人の9倍」と説明。
新芽野菜を生産しているニーダーザクセン州の農場からO104は検出されていないが、疫学的な調査で感染源を絞り込んだと述べ、感染源は「新芽野菜だ」と断定的に語った。

***ここまでYahoo!ニュース***


こんなふうに感染源って決められたりするんですね。

他に犯人が見つからないから最も濃厚な状況証拠のいる人を犯人として扱う。

なんとなくすっきりしませんけど、でも、これで問題が収束してくれればいいですね。


その後、O104に関していろいろ調べて行くと、すでに様々なことが発表されていました。

O104の持つ毒素は二種類ある志賀毒素のうち、2型であること。

診断基準にもなっていて、2型を持つことが遺伝子検査か抗体検査でわかるか、もしくは1型毒素を持っていないことがこの新型腸管出血性大腸菌の診断基準だそうです。


1型毒素の方がもともと志賀潔博士が発見した赤痢菌の毒素と同じ遺伝子配列で、2型は55%しか同じでないということです。

そして2型毒素の方が、10倍ほどHUSを起こしやすい強毒素型であるとか。


ちなみに、志賀潔博士が発見した赤痢菌は現代ではほとんど見かけることがなくなったそうですが、実は遺伝子配列は大腸菌に非常に近いそうです。

だから大腸菌が枝分かれして行った細菌の一つが赤痢菌で、それが持っている毒素だからこそ、大腸菌に戻ってくるのもスムーズだったということなのでしょう。


ってどうでもいい知識でした。


ちなみに、もやしもアルファルファも、ドイツの死の危険地帯以外で生産されたものには疑いは持たれていません。

まちがっても、「今、モヤシは危ないから買うのやめよう」なんて短絡的に考えないでください。

日本のモヤシは全然大丈夫です。


加熱調理はしてくださいね。
posted by HUS-EHEC at 23:58 | Comment(0) | TrackBack(0) | ニュースにひとこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年06月09日

溶血性尿毒症症候群(HUS)の治療方法は?

HUSと聞くと、私のようにそれほど詳しくない医療関係者が真っ先に思いつくのは腎透析です。

ですが、腎透析に向かう前にできることがいくつかあります。


基本は腎疾患の治療に共通する戦略ですね、体内水分量と塩分量を補正することです。

これがうまく行くだけで様々な症状を和らげることができますし、その後に起こる出来事も予防することができます。

これはしかし、あくまでも対症療法です。


進行した場合の治療法には、血漿輸注、プロスタグランジン製剤、抗血小板剤、へパリン、FOY、血漿交換等があります。

エフオーワイ(FOY)(小野薬品、主成分ガベキサートメシル酸塩)は、血液凝固に関わるトロンビンと活性型第X因子の働きを抑えることで、血液が凝固すのを防ぐ薬です。

いずれの治療薬も血管で血液が固まる状態を何とかしようと言うもので、FOYなどは世界的に有名な汎発性血管内血液凝固症の治療薬でもあります。


また、赤血球や血小板の輸血が有効である場合もありますが、凝固がコントロールできていないとかえって悪化させることもあります。

すぐに透析できる状態で、医師の判断でやってみるということですね。


最終的な治療方法の腎透析をするべきかどうかはBUNの数値など、いくつかの検査項目で決められます。

小さい子供の場合は透析をするための血管を確保するのが難しいので腹膜透析を行うことになるはずです。

腎透析は、検査数値が改善するまで繰り返し行われますが、ほとんどの症例では短期間の透析で回復できます。


ごくまれに腎臓のダメージがゆっくり進行して慢性じん不全へと移行しそうになるケースがあるようです。

その場合はたんぱく制限食やACEインヒビターなどの薬剤投与で時間をかけて改善させるトライアルがなされます。


HUSは、ならないにこしたことはない病気の代表例ですね。。。
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2011年06月08日

ヨーロッパの腸管出血性大腸菌O104の感染源はなに?

今回は公衆衛生学的な話題です。

ヨーロッパで拡大中のO104感染症ですが、アメリカでも数名の患者が確認されるなど、じわじわ拡大しています。

でも、新型インフルエンザとは違って、人から人へ「飛沫感染」する可能性は低めです。

あくまでも、感染者の汚染された糞便を触った人が触った食材や食器を口に入れた場合だけ感染する「経口感染」です。

衛生管理をきちんとすれば腸管出血性大腸菌の感染は予防できます


その観点からすると山形県の佐藤だんご屋の「柏餅」や「みたらし団子」でのO157感染は、調理側の衛生管理の不徹底が招いた人災と言えるのではないでしょうか。

焼き肉チェーン店のユッケもトリミングの手間を省いて安く売ったという利益優先したための人災でしょうけど。


で、実際のO104の流行の現場のハンブルグ市ですが、けっこう悲惨そうです。


***ここからニュース内容の引用(改変)***


欧米で拡大するO104 ドイツ北部のモヤシが感染源?

配信元:産経新聞 2011/06/06 21:26

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/america/510987/

欧米で腸管出血性大腸菌「O(オー)104」の感染が拡大している。

約3週間前に独北部で確認されて以降、感染者は12カ国で2150人を超え、ドイツで21人、スウェーデンで1人が死亡した。

O104はまれにヒトの体内から検出されることはあったが、流行が確認されたのは初めて。

専門家は、「O104はO157との遺伝子交換で変異した可能性があり、感染性も毒性も強い」と分析している。


ドイツでは、北部ニーダーザクセン州政府が5日、州内の農場で生産されたモヤシが感染源の可能性があると発表した。

ただし、農場からはまだO104が検出されていない。

O157といえば1996年に日本で11人が死亡、約9千人が感染したアウトブレイクがあった。

(あのときももやし同様、発芽野菜のカイワレダイコンが疑われたものの、感染源は特定できていない。)


独北部のハンブルクの病院はO104の感染が疑われる患者であふれかえっており、軽症者を帰宅させ、重症患者の治療を優先している。

バール保健相は、「患者数が医療施設の受け入れ能力を超えている。緊急事態だ」と危機感をあらわにしている。


***ここまでニュースです***


警察の捜査と一緒で食中毒が起これば衛生当局は原因の菌がどこにいたのかを突き止めようとします。

焼き肉酒屋えびすのユッケにしても原因となったパックが同定されていましたね。


でも、今回のような大規模なアウトブレイクではなかなか感染源を特定することが難しいです。

最初に感染した人たちをまず同定して、彼れの行動に関して聞き取り調査から汚染源を探さなくてはなりません。

ですが、探し当てたところでその汚染源がそのまま残っている可能性は低いのですね。


なぜなら、食中毒が発生したとしても、

最初の消化管症状の発症までは1〜3日の潜伏期間があります。

赤ワインのような典型的な出血性の下痢が起こるのは全員ではありませんし、消化器症状が出てから2日目ぐらいからのようです。

そして確信を持つ溶血性尿毒症症候群HUSの発症までの期間が消化器症状が出てから7日前後です。


つまり、最初の患者が出てから7日ぐらい経たないと、本腰を入れて感染源の特定に行政が向かわないと思われ。

その頃にはもう感染源の食材は食べつくされていたり、処分されてたりします。

このヨーロッパのO104も、大阪のO157同様、おそらく原因となった食材や食器は謎のままに終わるんじゃないでしょうか。



で、もやしなどの発芽野菜ですが、これは今回、グレー判定のままであったとしても今後も食中毒について注意すべき食材であることは間違いありません。

なぜなら、発芽野菜を育てる環境は湿度も温度も大腸菌などの細菌の繁殖に適しているからです。

モヤシやカイワレ大根は、生では食べないで、必ず加熱して使うことをお勧めします。


「湯がき」といって、沸騰しているお湯に5秒くぐらせればそれで細菌は死にます。

めんどうでも、安全第一で加熱処理してください。
posted by HUS-EHEC at 21:00 | Comment(2) | TrackBack(0) | ニュースにひとこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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