2011年06月03日

なにがHUS(溶血性尿毒症症候群)を引き起こすの?


現在、溶血性尿毒症症候群 (HUS)を引き起こす原因のほとんどは病原性大腸菌が消化管感染することで起こります。

これらの病原性大腸菌は腸管上皮を痛めて出血性の下痢を引き起こすために、腸管出血性大腸菌(EHEC, enterohaemorrhagic E. coli)Escherichia coli (E. coli) と呼ばれます。

EColiCRIS051-Fig2.jpg
WikioediaにあったO157の電子顕微鏡画像です。
O157は条件が整えば、粘液のようなものを出して、これで自分たちに居心地の良いベッドを作りだして繁殖します(右側の画像)。

EHECは腸管に入るとそこで増殖し、ベロ毒素と言われる毒素を産生します。

この毒素が腸管上皮を破壊し、さらには血流に入るのですが、この毒素は腎臓の血管内皮細胞にも非常に取り付き易く、腎臓の毛細血管の内側をガタガタにしてしまいます。

そこで赤血球が引っ掛かって壊れてしまうわけです。


ほとんどの溶血性尿毒症症候群 (HUS)ではその前にO157などの病原性大腸菌による消化管感染症が認められます。

これらの大腸菌が消化管に入る経路は、汚染された食物を食べる場合がほとんどです。

牛は感染しても症状が出ないことから腸の常在菌となっていることが多くて、牛肉が多いのですが、汚染された食物であれば何でもありです。

怖いのは感染動物や感染者の糞便で汚染されたプールや池で泳ぐことによる感染です。

日本ではまず心配いらないと思いますけど・・・。


子供が感染した場合の主な症状は、激しい腹痛、吐き気、おう吐、出血性の下痢ですね。

でも、大部分の子どもはこれらの出血性の下痢にまで至っても2,3日で回復できて、HUSになることはめったにないのが2010年ごろまでの通例でした。

今年、2011年に焼き肉酒屋えびすのユッケで感染したO111は高い確率でHUSが発症すると話題になりましたが、その一か月後からヨーロッパで拡大しているO104はそれどころではなさそうです。


ちなみに、初めてO157などの腸管出血性大腸菌EHECの存在が確認されたのは1984年のことです。
posted by HUS-EHEC at 00:16 | Comment(0) | TrackBack(0) | 溶血性尿毒症症候群とは? | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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