2011年06月07日

新型腸管出血性大腸菌O104の特徴「女性で発症者が多い」?

ドイツで流行中の新型大腸菌O104の報道で、それが新型だと言われる理由の一つに気になることがありました。

成人が発症しやすいことと、女性が発症しやすいことです。

これまでに発症したとされる人の86%が成人で、66%は女性なんだそうです。

このO104にどうして成人が感染して発症しやすいのか、どうして女性がそうなり易いのかについてはまだ分からないそうです。


それって、じゃあ、これまでよく知られていたO157ではどうなんだろうか?

そして、HUSに限って言えばどうなんだろうか?

そういう疑問が頭をもたげてきましたので、国内でO157感染症の発症症例数や男女比などを調べてみました。


国立感染症研究所感染症情報センターのホームページにデータがありました。

2010年の疫学統計データですね。

感染症発生動向調査からみた腸管出血性大腸菌感染症における溶血性尿毒症症候群、2010年

長いので関連する部分をピックアップしてみます。

HUS発生状況
感染症発生動向調査に基づき2010年(診断週が2010年第1〜52週)にはEHEC感染症は4,134例(うち有症状者2,719例:66%)の報告があり(2011年4月27日現在)、HUSの記載があったのは92例(有症状者のうち3.4%)で、報告数および発症率は2008年と同様であった。
性別は男性36例、女性56例で女性が多かった(1:1.6)。


HUS感染者は4300人以上も報告されていたのですね。

そのうち有症者は2719例で、さらにそのうち92例がHUSを発症しています。

そして男女比で見ると女性が多いですね。

そして、これがグラフにされているのを見てぎょっとしました、これ見てください。

df375e1.gif

おわかりでしょうか、成人に限ってみれば、HUS患者のほとんどが女性なのです。

標準的なO157に感染した場合でも、成人の場合、女性が重症化し易いという傾向があると言うことではないでしょうか?


気になったので2009年と2008年の統計データも視てみました。

2009年にはEHEC感染症は3,888例(有症状者2,607例)の報告があり、 HUSの記載があったのは83例(有症状者のうち3.2%)だそうです。

このうち、女性の比率をと探してみたところ、31:52=1:1.67となり、2010年と同様に女性の方がHUSを発症しやすいようです。

df364f1.gif

残念ながら2009年の年齢別統計グラフには男女の内訳は記載されていませんでした。


さらに2008年についてみると、

EHEC感染症4,322例中、HUSの記載があったのは94例(有症状者の3.3%)で(表)、 2006年102例(同4.1%)、2007年129例(同4.2%)2) と比較して、報告数は少なく、発症率は低かった。性別は男性39例、女性55例で女性が多かった。

と言う記載でした。

dt35111.gif

そしてこの年も残念ながら、年齢別の男女比は報告されていませんでした。


で、結論と言うか推測ですが、長くなり過ぎなので次の記事に続きます。

 ⇒溶血性尿毒症症候群(HUS)に女性はもともとなりやすい

posted by HUS-EHEC at 20:14 | Comment(0) | TrackBack(0) | ニュースにひとこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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