2011年06月08日

腸管出血性大腸菌EHECとVTECとSTECの違い

O157、O111、O104のニュースを日本語だけじゃなくて英語で見ていると、英語ではEHECじゃなくてSTECやVTECと表現する場合が多いようです。

なんでそうなるの?

自分でいろいろ調べていて気になったので大腸菌の呼び方について書いておきます。


EHECとは enterohemorrhagic E.coli:EHEC 腸管出血性大腸菌

VTECとは Verotoxin producing E. coli ; VTEC ベロ毒素産生性大腸菌

STECとは Shiga toxin producing E. coli:STEC 志賀毒素産生性大腸菌


全部同じ細菌群を指すと考えていただいてよいですが、厳密に言えば違います。

EHEC ⊃ VTEC ⊃ STEC

EHECは臨床症状からの区分です。
O157もO111もO026もO104も全部含みます。

VTECは毒素の性質からの区分です。
ベロ細胞と言う培養細胞を殺す毒素を産生する大腸菌と言う意味です。
EHECはすべてベロ毒を持つので、EHECとほぼ同義です。

STECは志賀毒素を産生する大腸菌を指します。
志賀毒素はもともと赤痢菌の持っていた毒素で志賀清が発見したものです。
これはベロ毒素の過半数を占めますが、志賀毒素以外にもベロ毒素はあります。


で、どうして日本語だと腸管出血性大腸菌EHECと言う表現が多くて英語だとSTECが目立つのか?

症状から行けばEHECの方があっていて、STECは科学者よりの内容なのに・・・

と思ってたら、どうも一般向けのニュースでは英語のマスコミもEHECと言う方が多くて、微生物学研究者のコメントが付いてくるとSTECになり易いみたいです。

これからEHECの方をよく見るようになるのかもしれません。



おまけ

O157に関して言えば、以前は「病原性大腸菌」と言う言い方をしていました。

でも、病原性大腸菌と言えばさらに大きなくくりになるんですね。

病原性大腸菌は4種類に分類されます。

病原血清型大腸菌:Enteropathogenic E. coli(EPEC)

組織侵入性大腸菌:Enteroinvasive E. coli(EIEC)

毒素原性大腸菌:Enterotoxigenic E. coli(ETEC)

ベロ毒素産生性大腸菌:Verotoxin producing E. coli(VTEC)


ああ、もう、めんどくさいなあ。(^_^;)


・・・とか思ってたらさらにめんどくさいことに、4種類じゃなくて5種類だったんです。

1987年に発見された5番目の病原性大腸菌は

腸管凝集性大腸菌(EAEC)あるいは腸管凝集接着性大腸菌(EAggEC)と言います。

これについては実はヨーロッパのO104の本体であることもわかったので、別のブログを作って説明しています。(それが上のリンクです。)  



閑話休題

子どもの頃にO157と言えば、大阪で給食か何かですごいアウトブレイクが出て、死者もけっこう出たことがありました。

あのときは「病原性大腸菌O157」と言う覚え方をしてましたね。

小学校でドッジボールやりながら、誰かが「おー!」って声を上げると「いちごーななーっ!」って返したりしてました。

・・・してませんでしたか?(・ω・;)(;・ω・)
posted by HUS-EHEC at 00:52 | Comment(0) | TrackBack(0) | 腸管出血性大腸菌について | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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